視界の端に色彩が違う箇所があったので顔を向けると、そこには綾波レイのコスプレに身を包んだクロサギさんが。
「制服だとヒゲさんとカブると思って・・・」
あえてプラグスーツをチョイスする気使いはさすがの一言だ。
よく見ると綾波レイのプラグスーツの他に、もう一人白っぽい服装をしている参加者がいることに気付いた。LITHIUMさんだった。
彼は仙台から死に装束を着たまま新幹線に乗ってきたらしく、その覚悟のほどが窺える。死に装束を着ながらもグラデーションサングラスをかけてくる気概には、感服させられた。
程なくして2卓立てるだけの人数が集まったので、アンコロキングさんによる開会の挨拶。
「人生には大切にすべき三つの袋があります。」
から始まる30分に渡るスピーチだった。
ふと隣を見ると、真冬の向日葵さんの姿が目に入った。晴天の新宿において「雨振って地固まる」まで強引にドライブする大演説に感銘をうけたらしく、時々サングラスを上にずらして涙を拭っている。
そろそろ対戦を始めようかというという時に、遅れてrarappeさんが登場。
見るなり市民さんの怒りが沸点に達した。市民さんの鉄拳制裁で隣の卓まで吹っ飛ぶrarappeさん。いきなり手が出てしまうのは彼の悪い癖だ。
「制服なんて着てきてヒゲさんとカブってるじゃねえか!プラグスーツ着て来いよ!」
「アスカ・ラングレーの真っ赤なプラグスーツなんて着て電車乗れないっすよ!」
隣のセット客に助け起こされながら、ずれてしまった赤髪のズラをかぶりなおすrarappeさん。
エヴァネタをカブせられたクロサギさんも心なしか憮然としている。
止めにはいったのは廉太郎さん。なおも掴みかかろうとしている市民さんを抑えながら
「ほら、スカーフはずせば同じセーラー服には見えないし」
コロンブスの卵的な提案で場を治めようとする廉太郎さん。雑スレが荒れるのは上等だが、リアルでの揉め事は大嫌いなのだ。
結局、泰氏さんがrarappeさんのスカーフを鉢巻代わりに頭に巻くということで決着し、どうにか対戦をスタートすることができた。
A卓での対戦が始まって一局目。起家のすずめクレイジーさんが配牌をかちゃかちゃとリーハイし、パタリと倒した。
「16000オールだな」
天和・・・。牌姿を確認し、ふと顔を上げると真冬の向日葵さんとすずめクレイジーさんが不自然に目配せしているのが視界に入った。
「コンビ打ちだ・・・!」
直感がささやく。
きっとコンビ技の最高峰“二の二の天和”を使ったのだろうが、確証はない。アルティマでの“二の二の天和”は初めてきいたが、きっと自分の知らない方法があるのだろう。玄人同士の対戦なのだから、手を掴むことが出来なかった自分が悪いのだ。市民さんもそれがわかっているから、今回は殴りかからずにただ拳を震わせている。
A卓の騒ぎに局を止めて様子を観にきていたB卓のメンツが卓に戻る。
LITHIUMさんが額の三角巾を整えながら字牌を切ると、対面の泰氏さんが手牌を倒しながらつぶやく。
「トリプルはありかい?」
字一色大三元四暗刻だ。
今度はA卓のメンツがB卓を覗きにいく番だ。卓上に目を落とすと、あきらかに河の様子がおかしい。きっと泰氏さんがA卓の天和騒動の間に大量に拾ったせいだろう。しかしこれも戦術の一つであり、やはり阻止できなかったB卓のメンツがヌルかったとしかいいようがない。
夜になり、さらにR530000さんと双頭の鷲さんが合流。
R530000さんは卓につくなり、乾燥した米粒を使用したガン牌を使ってきたものの、アンコロキングさんが牌山の影をみて異変に気付いたためいち早く阻止。
また双頭の鷲さんが、牌についた指紋をすべて覚えてしまっていたので、僕がヒロポンを取り上げて自らに注入することで事なきを得た。
途中、ビルの三階にもかかわらず廉太郎さんがトイレから逃げるというアクシデントなどもあって気が抜けない一夜だったけど、なんにせよ店の権利書を取り返す事ができて本当に安心した。
みなさまおつかれさまでした。
特にアンコロキングさん、アレだけの人数の統率本当におつかれさまでした。
ちゃんとしたオフ会レポートは他のブロガーの方たちにお任せいたします。
